Windowsで内蔵日本語キーボードとUSB英語キーボードを併用する手順
Windows がインストールされたノートパソコン等で、内蔵は日本語配列キーボードのまま、USBで接続した英語(US)配列キーボードを併用するための手順メモを整理したものです。
概要
ノートパソコンの内蔵日本語配列キーボードをそのままに、外付けUSBキーボードをUS配列で使えるようにする。
レジストリ操作や再起動を伴うため、管理者権限が必要です。作業前に重要なデータのバックアップを推奨します。
方法1 — サードパーティツール(Ule4JIS)を使う(簡単)
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Vector から取得してください。
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ダウンロードした zip 等を任意のフォルダに解凍します。
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Ule4Jis.exeを実行して設定を行います。
- ハードウェアキーボード設定は「日本語キーボード (106/109) キー」のままで運用します。
- IMEの切替キーを「Caps Lock」にすることが多い設定です。
常時使う場合は、Ule4Jis.exe をスタートアップに登録して起動時に常駐させると便利です。
方法2 — サードパーティを使わない(管理者権限が必要)
以下の手順はWindowsの設定とレジストリ編集を含みます。間違えるとキーボードが期待通り動作しなくなる可能性があるため、自己責任で行ってください。
ハードウェアキーボードレイアウトを英語に変更
- 「設定」→「時刻と言語」→「言語」タブを開きます。
- 「優先する言語」から「日本語」を選び、「オプション」をクリックします。
- 「ハードウェアキーボードレイアウト」セクションの「レイアウトを変更する」をクリックします。
- 「英語キーボード (101/102 キー)」を選択し、「今すぐ再起動する」をクリックして再起動します。
注: ここでシステム全体のハードウェアキーボードレイアウトが変わるため、一旦再起動が必要です。
Windows標準設定のOverrideキーを削除
再起動後、以下のレジストリキーを開きます。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\i8042prt\Parameters
上のキーにある以下の値が存在する場合は削除します:
OverrideKeyboardTypeOverrideKeyboardSubtype
これでシステムのデフォルト設定がクリアされます。
内蔵キーボードのデバイスインスタンスパスを確認
- デバイスマネージャーを開き、「キーボード」の下にある内蔵キーボードと思しき項目(例: 「日本語 PS/2 キーボード (106/109 キー Crtl + 英数)」)を探します。
- そのデバイスを右クリック→「プロパティ」→「詳細」タブ→「デバイスインスタンスパス」を選択し、表示された値をコピーします。
内蔵キーボードを日本語配列に固定(レジストリ)
レジストリエディタで、先ほどコピーしたデバイスインスタンスパスに対応するパス(例: HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Enum\ACPI\MATxxxxxxxxxxxxxxx0\Device Parameters)を開き、以下のDWORD(32bit)値を新規作成します。
| 値の名前 | 値のデータ(10進) | 値のデータ(16進) |
|---|---|---|
| OverrideKeyboardType | 7 | 0x00000007 |
| OverrideKeyboardSubtype | 2 | 0x00000002 |
これにより、内蔵キーボードは日本語配列として扱われます。
外付けUSBキーボードのデバイスインスタンスパスを確認
- デバイスマネージャーで「キーボード」配下の後付けUSBキーボード(例: 「HID キーボードデバイス」)を見つけます。
- 同様に「プロパティ」→「詳細」→「デバイスインスタンスパス」をコピーします。
外付けUSBキーボードを英語配列に設定(レジストリ)
レジストリエディタで、外付けUSBキーボードに対応するパス(例: HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Enum\HID\VIDxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx0\Device Parameters)を開き、以下のDWORD(32bit)値を新規作成します。
| 値の名前 | 値のデータ(10進) | 値のデータ(16進) |
|---|---|---|
| OverrideKeyboardType | 4 | 0x00000004 |
| OverrideKeyboardSubtype | 0 | 0x00000000 |
システムを再起動
変更を反映させるため、システムを再起動します。
トラブルシュート
- 反映されない場合は、
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Keyboard Layouts\00000411を確認し、Layout FileがKBDJPN.DLLになっていることを確認してください。もしKBD106.DLL等になっていると、期待通り反映されないことがあります。
- 「ハードウェアキーボードレイアウト」の再設定
- Windows Update(メジャーアップデート)
補足と注意点
- レジストリ操作はリスクがあるため、作業前に必ずバックアップを取ってください。
- 端末やドライバによりデバイスインスタンスパスの名前や構造が異なる場合があります。表示される実際の値を確認して作業してください。